2017/11/18 12:06

1955年創刊、岩手の文芸雑誌「北の文学 75号」発売

『北の文学』は、岩手日報社が出版する公募文芸雑誌。1955年創刊で、今号で75度目の出版。作品は、岩手県出身者または在住者から短編小説・評論・エッセーなどを募集し、優秀作と入選作を数名の編集委員で選考し掲載されます。
編集委員は、歴代、三浦哲郎、三好京三、須知徳平、太田俊穂、光瀬龍、及川和男、高橋克彦などで構成され、時には厳しい選評も掲載されます。
 
当雑誌は、同人誌的な自由な形態を保つため、運営は会員より会費を集うことで成り立っており、ISBNすら付されておりません。商業的な枠を超えた北国ならではの純粋で心の温まる作品をこの冬に読んでみてはいかがでしょうか。
 
75号について
今号は小説部門から優秀作が2編選ばれました。単独の部門で複数作品が受賞するのは初めてです。編集委員三氏(鈴木文彦、斎藤純、久美沙織)による最終選考会でともに高い評価を受け、1編だけ選ぶことはできないとの結論から同時受賞となりました。小説の優秀作は69号以来で3年ぶりになります。
巻頭コラムは小説「影裏」で第157回芥川賞を受賞した盛岡市の作家沼田真佑さんです。独自の小説世界を紡ぎだす沼田さんが身の回りの物事にどう向き合い、どのように見ているかが伝わる興味深いエッセーです。
 
掲載作品
巻頭コラム 「東京の動物」沼田真佑
優秀作 小説「ピンク」加藤勝
    小説「あなたに話したい。」多田加久子
俳句 「一番星」津志田武
入選作 小説「こどもたち」日上秀之
短歌 「花朶かしぐころ」田澤和子
詩 「ドックヤード」かしわばらくみこ
選考経過・選評 三編集委員
寄稿 小説「流星」村井直衛
寄稿 文芸評論「ヘビとムカデが盛岡で」浜矢スバル
   文芸評論「満蒙開拓青少年義勇軍の夢と現実」黒澤勉
川柳 「迷走の闇」宇部功
グラフ文芸散歩「宮沢賢治文学と岩手県」渡部芳紀
エッセー 「鐘楼」石川啓子
     「虹」多田有希
     「『れ』」熊谷千佳子
     「おみくじ」山口トヨ子
投稿 あの日あの時

北の文学75号詳細ページ