自民党の権力闘争、二度の政権交代…
小沢氏が語る日本政治の半世紀
1969年12月、27歳で衆院選に初当選。
以来、自らが掲げる理想の政治実現へ闘い続ける小沢一郎氏にロングインタビューを敢行。
貴重な証言とともに、半世紀にわたる日本政治の舞台裏に迫る。
小沢氏の半世紀「貫く棒の如きもの」
―――堀茂樹氏(フランス文学者、 慶應義塾大学名誉教授)
岩手県選出の衆議院議員・小沢一郎氏の初当選は1969年12月に遡る。以来50年に及ぶ稀有な政治活動の軌跡を、本書は、小沢氏本人へのロングインタビューをとおして辿る。長老然とした政治家の自己満悦的回想ではない。むしろ、高齢にもかかわらず、今なお道半ばの意識を抱く現役政治家の中間報告である。
「去年今年貫く棒の如きもの」(高浜虚子)に倣っていえば、小沢氏の議員生活50年にも「貫く棒の如きもの」がある。すなわち、政権交代のあり得る議会制民主主義の確立という目標と、それに向かって遮二無二前進する闘志にほかならない。本書に見出せる小沢氏の実像、驚くほど一途で、不屈で、気取りのない政治家の姿には感銘を禁じ得ない。
著者 :岩手日報社編
体裁 :A5判上製本
総頁 :285
発行 :2020年4月
ISBN :978-4-87201-424-2
【目次】
序章 50年目の決意
第1章 若き日の思い出と田中角栄
・父の死
・田中角栄との出会い
・初めての選挙
・全国最年少トップ当選
・初めての国会
・田中派の旗揚げ
・選挙の教え
・田中総理誕生と角福戦争
・金脈問題からロッキード事件
・県連会長就任と分裂選挙
第2章 大車輪の活躍
・総務局長と苦い思い出
・議運委員長
・田中派内の不満
・創政会の発足
・田中時代の終焉
・初めての大臣
・皇民党事件
・官房副長官
・異例の日米交渉
第3章 豪腕伝説
・海部擁立と幹事長就任
・幹事長の仕事
・衆院選を指揮
・湾岸戦争
・激動する世界
・北方領土交渉
・政治改革への執念
・東京都知事選と幹事長辞任
・政治改革の迷走と「海部おろし」
・幻の総裁選出馬
・小沢面接
・金丸辞任
・竹下派分裂
・日本改造計画
第4章 初の政権交代
・宮沢内閣不信任案と自民党離党
・新生党結成と総選挙
・細川首相誕生
・連立政権スタート
・内部の確執
・国民福祉税
・細川辞任
・渡辺美智雄出馬騒動
・社会党の造反と羽田内閣
・まさかの自社さ政権
・新進党結成と羽田の離党
・新進党解党
・岩手からの逆襲
第5章 自由党から民主党へ
・自由党結党と自自連立
・小沢・小渕会談
・加藤の乱
・小泉内閣
・民由合併
・郵政選挙
・民主党代表へ
・選挙態勢の構築
・ねじれ国会
・大連立騒動
第6章 民主党政権誕生
・政権交代への助走と「国策捜査」
・悲願の政権交代へ
・新政権と幹事長辞任
・永田町改造
・豪腕復活
・「国策捜査」との全面対決
・迷走する鳩山政権
・ダブル辞任
第7章 無念の離党から再起へ
・脱小沢
・東日本大震災
・民主党混乱
・消費税法案反対と離党
・民主党崩壊と自民党長期政権
終章 議員生活50年を迎えて