宮澤賢治 心象スケッチ十の旅

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Kenji with Love

著者渾身の「心象スケッチ」よみとき

 

『春と修羅』刊行100年。数々の「心象スケッチ」に込められた宮澤賢治の愛をよみとく著者渾身の一冊。

 

 


体裁 :A5判
総頁 :280
発行 :2024年9月
ISBN :978-4-87201-436-5


 「海辺で貝殻を拾うように、宮澤賢治の言葉を集めてみたいと思いました」(澤口たまみ)

 

宮澤賢治の詩集『春と修羅』が刊行された1924(大正13)年からちょうど100年。賢治が「心象スケッチ」と呼んだ数多くの詩は、独特のリズムと表現を通じて賢治の深い思いが込められている。


 鋭い着眼点で賢治作品をよみとく澤口たまみ氏が、「十の旅」に見立てて計51作品を解説。家族や教え子への慈しみ、壮大かつ理知的な自然の描写、そして秘められた愛。詩人・宮澤賢治に迫る意欲作。

 

■目次
はじめに
 

Ⅰ.春と修羅 心象スケッチのはじまり
「春と修羅」序/恋と病熱/春と修羅/春光呪咀/〔日曜にすること〕
〈コラム〉鉱物の結晶のような賢治の言葉
 

Ⅱ.小岩井農場 小岩井農場は賢治の聖地
小岩井農場パート二/屈折率/くらかけの雪/小岩井農場パート四/小岩井農場パート九
〈コラム〉カラマツの芽のクリソプレース
 

Ⅲ.種山が原 思い出の風と光
岩手山/高原/原体剣舞連/若き耕地技手のIrisに対するレシタティヴ/岩手軽便鉄道 七月(ジャズ)
〈コラム〉クラムボンは恋する賢治自身
 

Ⅳ.オホーツク挽歌 北の海辺で悲しみが透き通る
永訣の朝/松の針/無声慟哭/風林/オホーツク挽歌
〈コラム〉(Ora Orade Shitori egumo)はローマ字に変えられた
 

Ⅴ.一本木野 失われた恋から銀河鉄道へ
マサニエロ/過去情炎/一本木野/冬と銀河ステーシヨン/薤露青
〈コラム〉みどりいろの通信とジョバンニの切符
 

Ⅵ.東岩手火山 月は赤銅 地球照 生徒と歩く
青い槍の葉/東岩手火山/山の晨明に関する童話風の構想/告別/稲作挿話(未定稿)
〈コラム〉「東岩手火山」はオペラである
 

Ⅶ.実験室小景 自然へのまなざし
蠕虫舞手/〔向ふも春のお勤めなので〕〔落葉松の方陣は〕/実験室小景/〔バケツがのぼって〕
〈コラム〉シグナルのプロポーズ
 

Ⅷ.プラットフォーム アメリカのヤスに誓う
曠原淑女/孤独と風童/暁穹への嫉妬/〔古びた水いろの薄明穹のなかに〕/〔わたくしどもは〕
〈コラム〉ヤスと、ヤスの子どもの幸せを祈る
 

Ⅸ.疾中 母は厨で水の音
病床/〔その恐ろしい黒雲が〕/〔丁 丁 丁 丁 丁〕/病中/母に云ふ
〈コラム〉ゴーイングホーム、ヤス
 

Ⅹ.岩手公園 忘れ得ぬ日々
流氷(ザエ)/〔きみにならびて野にたてば〕/岩手公園/機会/〔夕陽は青めりかの山裾に〕/〔雨ニモマケズ〕
〈コラム〉天から差し伸べられる優しい腕

 

おわりに

■澤口たまみ エッセイスト・絵本作家。岩手大学農学部修士課程修了。1990 年エッセイ集『虫のつぶやき聞こえたよ』(白水社)で日本エッセイストクラブ賞、2017 年絵本『わたしのこねこ』(絵・あずみ虫、福音館書店)で産経児童出版文化賞美術賞を受賞。 岩手の自然を歩きながら賢治作品を読み解き、即興演奏とともに賢治作品を朗読する「朗誦伴奏」を続けている。主な著作に『クラムボンはかぷかぷわらったよ』(岩手日報社)、『自然をこんなふうに見てごらん 宮澤賢治のことば』(山と渓谷社)など。 2023 年から盛岡大学短期大学部准教授。岩手県盛岡市在住。

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